解決事例

解決事例

【交通事故】自賠責被害者請求

相談前 被害者は、働き盛りの男性で一家の大黒柱でしたが、夜間、交差点の横断歩道を歩行していたところ、自動車にはねられ不幸にもお亡くなりになってしまいました。ご遺族は、加害者の任意保険会社を通じて自賠責保険との一括払いを請求していましたが、任意保険会社からは、被害者の親の実印が得られないことを理由に保険金の支払いを拒否されていました。
相談後 弁護士に依頼し、自賠責法に基づく被害者請求の手続を委任することで、自賠責保険会社から慰謝料、逸失利益など合計2,800万円以上の自賠責保険金の支払いを受けることができました。
弁護士からのコメント このケースでは、ご遺族は加害者の任意保険会社に一括払いの依頼をしていたのですが、任意保険会社側の都合で、自賠責保険の請求手続がストップしていました。弁護士に早期にご相談・ご依頼いただくことで、自賠責保険会社に対する被害者請求(自動車損害賠償保障法16条)に切り替えることで、速やかに自賠責保険の支払いを受けることができました。

【交通事故】自営業者が事実と異なる所得を申告していた事例

相談前

被害者は、個人で建築業を営んでいましたが、バイクを運転中に交差点で対向車と衝突し、その結果、腕が自由に動かなくなるなどの後遺障害が残り、事故前よりも所得が大幅に下がったため、任意保険会社に後遺障害逸失利益などを請求していました。

被害者は、事故前には、実際の所得よりも少ない所得しか確定申告をしていなかったため、希望した金額の支払いを受けることができないでいました。

相談後 弁護士に相談し、現実の所得を立証するための売上と経費に関する資料を収集した上で、損害賠償請求訴訟を提起しました。訴訟では、裁判所から、被害者の所得は確定申告書記載の所得額よりも高額であったとの認定をしてもらった上で、和解をし、保険金の支払いを受けることができました。
弁護士からのコメント

保険会社は、被害者が自営業者の場合は、通常は確定申告書に記載された所得額を基準に保険金額を計算します。そのため、被害者は、所得を過小申告していた場合、希望する賠償額を得ることが難しくなります。

このケースでは、売上に関する請求書の控えや、事業用口座の取引履歴、経費に関する領収書などを収集し、取引先の陳述書を作成した上で、実際の所得の立証に努めました。その結果、裁判所には、賃金センサスを考慮して、申告所得額以上の所得があったことを認定してもらい、有利な条件で和解をすることができました。

【相続】被相続人が、生前、特定の相続人に対し、長期間に渡り定期的に仕送りをしていた事案で、遺産分割調停において、当該仕送りが特別受益に当たるとの主張が認められた事例

相談前

被相続人Aは、生前、前妻Bとの間に子Cを設けましたが、その後Bと離婚、Dと再婚し、Dとの間で子E、F、Gを設けました。Aは、再婚後も、成人したCに対し、毎月10~15万円を約10年間にわたって送金しており、その送金額の合計は約1,750万円にものぼっていました。

被相続人Aが亡くなり、相続が発生した後、DEFGとBとの間で遺産分割について協議を行いましたが、Bに対する生前贈与をどのように扱うかについてDEFGとBとの間で対立があり、協議はまとまりませんでした。

相談後 DEFGから依頼を受け、弁護士は、家庭裁判所に遺産分割調停を申立てました。調停の中で送金履歴を提出し、生前贈与が特別受益に当たることを主張立証することで、Bを説得することができ、Bが遺産を相続しないという内容で遺産分割調停を成立させることができました。
弁護士からのコメント

共同相続人中に、被相続人から、生計の資本として贈与を受けた者があるときは、その贈与を相続分の前渡し(特別受益)と見て、計算上その贈与を相続財産に持ち戻して相続分を計算し,特別受益としての贈与を受けた相続人については、その相続分から贈与額を控除することができます(民法903条)。

特別受益として認められる「生計の資本」としての贈与にあたるかどうかは、贈与金額、贈与の趣旨等から判断されますが、短期間で費消される金額の贈与は、それが結果的に長期間継続してなされ、合計額が多額になったとしても「生計の資本としての贈与」とは言いにくいとされています(『家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務』254頁)。

もっとも、東京家庭裁判所平成21年1月30日審判(家月62巻9号62頁)では、相続人である相手方が被相続人から約7年の間に毎月2万から25万円程度の送金を受けていた事案において、遺産総額や被相続人の収入状況を考慮し、1か月10万円に満たない送金は親族間の扶養的金銭援助にとどまるとしつつ、1か月10万円を超える送金は生計の資本としての贈与に当たるとして、申立人主張の送金額約954万円のうち628万円を特別受益として認めています。

Dさんたちのケースでは、遺産総額や、被相続人及び相続人の生活状況からみて、贈与の金額は、親族間の扶養義務を超えるものであり、生計の資本としての贈与(特別受益)に当たると判断し、調停委員を通じて、Bを説得することで有利な解決をすることでできました。

【相続】親族の一人が被相続人の預金口座から無断で1億円以上の預金を引き出していた事例

相談前

被相続人は、多額の資産を有していましたが、認知症を発症したため、自宅を出て、他県在住の親族Aの手引きでAの自宅付近の介護施設に入所することになりました。施設入所後、被相続人の資産は、専らAが管理していました。

被相続人がお亡くなりになった後、相続人らが被相続人の預貯金を確認すると、相続が発生する前の約8年の間に、合計1億1,000万円もの預金が被相続人名義の口座から出金・送金されていることがわかりました。

相談後

相続人らは、親族Aとの交渉を弁護士に依頼しました。依頼を受けた弁護士は、Aに対し受任通知を送付し、出金・送金した預金の使途を明らかするよう求めました。
A側は、預金の使途について、一部は被相続人のために使用し、残りは被相続人からのAに対する贈与であると主張しました。

しかし、被相続人のために使用したとする預金については、その多くに領収書などの裏付け資料がありませんでした。また、贈与については、介護資料などから判断して、当時、被相続人は認知症が相当進行していた状態であって、多額の金員を有効に贈与することができるだけの判断能力(意思能力)が欠けていることが推認できました。

そこで、これらの点を主張し、最終的にAが相続人らに2,000万円を支払うとの内容で示談をすることができました。

弁護士からのコメント

被相続人の生前に第三者が無断で預貯金を出金・送金した場合、相続人は、第三者に対し、法定相続分に従い不法行為による損害賠償請求権(民法709条)ないし不当利得返還請求権(民法703条、704条)を取得します。このケースでは、訴訟提起をすることも検討しましたが、早期解決の観点から示談による解決を選択しました。

最近、預貯金の無断引き出しが問題となる事案が増加しています。相続人であれば金融機関に依頼すれば被相続人名義の預貯金の入出金履歴を取得することができます。使途不明金がある場合には、早めに弁護士にご相談されることをおすすめします。

【後見】海外在住の親族の依頼により保佐開始の申立てを行い、保佐人を選任した事例

相談前 依頼者は、実家を離れて長年海外で生活しており、他方、高齢の父親は一人、実家で生活していました。
最近になって、父親は、身の回りの世話をしてもらっていた女性と再婚したのですが、その頃から、父親名義の預貯金口座から不自然な出金が目立つようになりました。
相談後 依頼者は、弁護士に相談した結果、父親の認知症が進行していること、再婚した女性が預貯金を出金している可能性が高く、その使途も不明であることから、保佐開始の申立てを進めることにし、その申立てを弁護士に依頼しました。弁護士は、必要書類を収集した上で、家庭裁判所に保佐開始の申立てを行いました。
弁護士からのコメント

精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族らの請求により、保佐開始の審判をすることができるとされています(民法11条)。

このケースでは、速やかに保佐開始の申立てを行い、家庭裁判所に専門職な知識と経験を持ち、中立的立場にある弁護士を保佐人に選任してもらうことで、父親の財産の管理を妻から保佐人へと引き継ぐことができました。

【後見】認知症が進行した結果、生活が困窮していたにもかかわらず宗教団体に寄付をするなど浪費傾向にあった高齢者について、後見開始の申立てをし、後見人を選任した事例

相談前

ご本人は、当時75歳の女性で、ご主人に先立たれ、長年ご長男と二人で同居し生活してきました。しかし、その後、ご長男も病気になり勤務先の退職を余儀なくされてしまい、世帯収入が激減してしまいました。

ご本人には、年金以外に収入がなかったのですが、認知症が進行していたこともあって、宗教団体に不相応な金額の寄付をするようになり、生活状況が困窮していました。

相談後 NPO法人のご紹介で、当事務所にご相談に来られ、弁護士と相談の結果、後見開始の申立てを行った上で、生活保護の受給を申請するとともに、転居をすることにしました。
弁護士からのコメント

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族らの請求により、後見開始の審判をすることができるとされています(民法7条)。
本件では、年金だけでは生活費が不足していたため、生活保護の受給を受ける必要がありましたが、ご本人の認知症が相当進行していたため、単独では受給の申請が困難な状況でした。また、ご自宅に宗教団体の勧誘員が訪問して寄付を募るなどしており、ご本人がこれを断ることのできない状況にありました。

そこで、後見開始の申立てを行い、生活保護の受給を後見人に代理して申請してもらうとともに、転居の手続についても後見人が代理して行うことで、宗教団体の影響が及ばないところまで転居することで、ご本人の保護を図ることができました。

【不動産】不当利得返還請求及び共有物分割訴訟

相談前

被相続人である父が死亡し、遺産である土地を母及び兄弟3名で相続し、遺産分割協議の結果、母及び兄弟3名の各人が4分の1ずつの共有持ち分を取得することになりました。ところが、その後、長男は、他の持ち分権者に無断で土地を造成して駐車場にし、これを賃貸に出して、10年来、賃料収入を得ていました。

他の兄弟らは、長男が土地の賃料収入を独占していることを不満に思っており、持ち分に応じた賃料を払ってほしいと思っていました。また、今後も長男が土地を独占使用するのであれば、土地は売却して持ち分に応じた売却代金を取得したいと考えました。

相談後

他の兄弟らは、弁護士に依頼して、長男に対し、駐車場の賃料収入については不当利得返還請求訴訟を、土地の売却については共有物分割訴訟を提起しました。訴訟では、土地について競売を命じ、その売却代金を各々4分の1の割合で分割するという判決を得ることができました。また、遡って10年分の賃料収入についても、長男が不当に利得しているとして、兄弟の持ち分に応じて返還を命じる内容の判決を得ることができました。

しかし、判決後も、長男は判決の内容に従わなかったため、土地について競売申立てをすることでその売却代金から持ち分相当額の金銭を回収するとともに、土地の売却代金のうち長男分を差し押さえて不当利得金についても回収をすることができました。

弁護士からのコメント

共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができるとされ、共有物の現物を分割することができないとき、または分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができるとされています(民法258条)。

相続の際に、不動産を相続人らの共有にすることは良くあることと思います。しかし、その後兄弟間で不仲になってしまい、共有不動産を共同で適切に管理することが困難となってしまうこともままあります。その場合には、共有関係を解消する方法として共有物分割訴訟が有効な場合があります。代償金を支払って共有者の一人が単独取得する方法もありますし、今回のように競売により売却代金を分ける方法もあります。今回は、不動産に価値があり競売によってもある程度の金額で売却できました。また、駐車場の賃料収入の不当利得金についても、長男に支払われるべき不動産の売却代金を差し押さえることで回収することができました。

当事務所では、共有物分割訴訟について取扱実績を有する弁護士が複数在籍しております。共有不動産についてお困りの際は、お気軽にご相談ください。

【離婚】親権

相談前

夫婦の間には未就学児のAと成年の子がいました。夫婦仲が悪くなり、妻が自宅を出て別居を開始しました。当初、妻がAを引き取って監護していたのですが、その後夫が自宅に連れ戻して監護を開始し、妻はAと会わせてもらえなくなりました。
その状態が1年程継続し、その間、妻は離婚調停を申立て夫と話し合いをしましたが、親権の点で話し合いはつかず、やむを得ず離婚訴訟を提起することにして、弁護士に相談しました。

その際、妻は、Aの親権を取得したいと考えていますが、夫が監護している現状が、親権の取得に不利になるのではないかと心配していました。

相談後

妻の依頼を受けて、弁護士は、離婚訴訟と併せて、監護者指定の審判及び子の引き渡しの審判及び審判前の保全処分を申し立てました。審判期日では、裁判官から、現段階で監護者指定や引き渡しの判断は困難であり、まずは面会交流を通じて母子の関係を確認したい旨を示唆されました。そこで、妻は、面会交流の調停を申し立て、Aの保育園に週に2回通って面会交流をし、また、月に2回は宿泊付きの面会交流をすることになりました。妻は、調停で決まった面会交流のために仕事の合間をぬってAの保育園に通い、宿泊の時には手料理をふるまったり旅行に連れて行ったりと、充実した面会交流を重ね、母子としての良好な関係を築くことができました。

離婚訴訟では、親権が中心的な争点となりました。妻は、子の監護をしながら働ける職場を見つけて安定収入を確保し、居住場所について成年の子の協力を取り付けて、Aを引き取った際にもきちんと監護できることを主張しました。また、Aとの母子関係については家庭裁判所の調査官が直接Aと面談し、また家庭裁判所での夫婦各々とAとの交流の様子を調査しました。しかし、Aは、夫の下で生活しているため、夫に遠慮して、自分の母親に対する気持ちを表現できませんでした。そこで、保育園などでの妻とAの二人だけの面会交流時の様子を、Aの手紙や写真、動画を添えて丁寧に説明し、良好な母子関係にあることを主張しました。

最終的にAとの別居期間は2年を超えましたが、妻の監護能力とAとの良好な関係性を立証することで、妻が親権を取得するとの判決を得ることができました。

弁護士からのコメント

子どもが幼い場合には、子の福祉に鑑み、母親が親権取得に有利というのが一般的ですが、他方で、子が夫側で長期間生活し、そこで安定した監護環境を築かれているような場合や、母子の関係や妻側の監護能力に問題がある場合には、子の現状を維持するという判断もあり得るところです。

離婚の協議がまとまらない場合には、離婚調停、離婚訴訟と法的手続きを踏まなければなりませんので、長期間、子と離れた状態が継続することになります。そこで、相手方が子との安定的な生活状態を築いてしまえば、それを覆すことが子の福祉に反するという判断につながりかねませんので、早い段階で子の監護状態を回復し、それが難しければ定期的に面会交流を図ることで、子との関係を回復することが大切です。

今回の件では、妻は、子を引き取るために子の監護をしやすい職場を探し安定収入を確保し、また成人の子と同居して母子家庭でも十分に監護できる環境を整えました。また、早期に子の監護を回復することはできませんでしたが、仕事の合間を縫って頻繁に面会交流をすることで子との信頼関係を回復できたことが親権取得のポイントになりました。親権を獲得することが目的ではなく、その後の子との生活を想定して準備を進めて行くことが大切です。

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